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日々のこと

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家を身にまとう 建築がジュエリーになる時 Wearable House

10/4.5.6 玉川大学で開催された『家を身にまとう 建築がジュエリーになる時 Wearable House』というタイトルのワークショップに参加しました。 (instagram itoatsuko_ に詳細)
ここでは当日録っていたメモから
数時間という凝縮された構想と制作の時間の中で浮かんできたことを残しておきます。


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私がこのワークショップで実際に行ったこと

玉川学園の丘陵を歩き建築物を選ぶ。

大学3号館 演劇舞踏学科棟 この建築から得た印象を用意されていた紙で十数点のパーツを造形。

全体の構成を来訪者各々に委ねてみた。


選んだのは複雑にラインが錯綜する60〜70年代の建物で、一部は当時の演劇舞踏の教員の設計との話を聞いた。
その意志と体現の線は、機能の充実を超え、当時の夢や試みの熱を内萌しているように感じられる。
(建物の箱と箱を接続し、橋の用途も持つフリースペースの空間で踊る学生がふたり。)
演劇舞踏の学生のための空間は身体と共に動き線を描く。機能と意匠が一体となり生き物のように動いている。ように感じる。
老朽化のため数年後には取り壊されるという。出来事に満ち満ちている建築は事物としては終わりを告げられるが、
各人の記憶の中の生きられた痕跡として各意識に点滅するのだろう。

玉川学園の創始者小原國芳の言葉のなかに

反対の合一ということを、全人教育の立場から特に大事にいたします。」

というのを発見した。反対の合一。まとまらない、線の錯綜の各々に目配せしながら大きく共に動いている全体。

これをこの建築の体感として人と共有したいと思った。






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空間やものの錯綜した線のゆくえはそれを見よう感じようとするものだけにはそう現れるし、
そうでないものにとっては物理的な存在に留まるだろう。
単なる`もの`でもあるが、人や他のものと共振する、動きの発現でもありうること。

自分の行ってきたジュエリー制作との接点をここに感じている。

















# by ito-atsuko | 2023-10-25 12:39 | 考えたこと

2023

久しぶりにこのページを開くことになり、20年近く前の投稿に心身飛びました。
また書いていくと、20年後にここで今の自分と繋がるのか、
途中何かでぷつりと切れてしまうかもしれないけれど
とにかくこの数年の変化の記録が
制作したものだけなのは残念だと感じたから
今からまたふらりと、
文を綴っていこうと思います。


















# by ito-atsuko | 2023-09-05 12:05

真珠


大村湾で育ったあこや真珠をつかってジュエリーを制作しました。

おのおのが個性ある光を放っていて
それぞれどうやって育ってきたのか問いたくなる真珠
ものとしてというより、生き物だった経過に寄り添いたくなるそんな作業でした。






岡本太郎のこの心地よい文章を纏いながら

”ながい歴史の間、地面にへばりついた植物のように、自然そのままに生きてきた。台風に吹きさらわれ、破れ、自然に朽ち、風化し、しかし新しい芽がその下からしっとりと生え育ってくる。そして同じ運命を繰り返したどって行くのだ。それは淡々と凝滞ない。堅牢だとか、永らえることが価値だなんて、考えもしない。この世界では物として残ることが永遠でない。その日その日、その時その時を平気で、そのまま生きている。風にたえ、飢えにたえ、滅びるときは滅びるままに。生きつぎ生きながらえる、その生命の流れのようなものが永劫なのだ。柔軟できめの細かい肌あい。素朴で、もろく、儚いようだが、強靭なのだ。そして、はるかに明朗であり、屈託のない伸びやかさだ。
沖縄文化論 岡本太郎
/acoyapearl.com


展示詳細はこちらです。





A pearl, it loses its life to give birth to beauty…

真珠、その命を落とし、その美を生む


# by ito-atsuko | 2018-09-24 10:42

aura

制作メモ

ビーズが現地から離れて東京へ向かったことで
持続は一旦寸断された
これを引き継ぎ
生を取り戻すために
作り手の生きている現在と持続
を吹き込む
ものに神を入れ籠む(なんと日本的な、道端の石ころに対してもその行為が可能なのである)
経済原理から遠く離れた
離れたが故に活かされ
宇宙までつながる
一粒のビーズ
一片の糸
レディーメイドによって
各階級の人々へ与えられた機会
一粒ずつへの慈しみ愛情や
使用頻度、繰り返しによってすでに
AURAを発する
ものへと昇華した(とみられる)
ビーズ
異なる背景をもつものの
混在する
ひとつのまとまりからは、
別の方向に逃げていく線
くっつく線が
奏でるひとつの
あるいはまた別のAURAが発せられ
ジュエリーとして
身体に関係する時に加わる
ひとつの素材
人という一瞬ずつ変化している生のものとの
共生によって
ふたたびのAURAを手に入れることがあるかどうか。
ジュエリーを装着することで
人の意識が変化するだろうか
あるいは無意識のゾーンに突破口をつくるだろうか、
愛着のあるものー
欠損(うさぎのかじり後に見るline)によるAURA

レディーメイドのビーズ欠損から発せられるAURA


# by ito-atsuko | 2018-09-11 15:02

夏休み2

そのかたの過去や未来へのおもいをかたちにするオーダーメイド。
ご自身が南の海の底で出会った貝、
これをバングルとして大切に身につけていたいとの依頼でした。
拾ったときの情景、留めておきたい心の動きそのままを
永遠の装身具として作り直すこと。
(真ん中)
夏休み2_e0070099_16194675.jpg
装身具



作ったものの空気が付け手のかたの身体の一部として、または限りなく親和性のあるものとして許されてある、
あるいは尊ばれてある、心や魂の深いところで繋がれるもの
あるいは現在あるにも関わらず、ときに記憶の一片でもあるものや心象を未来に繋げたりするものを
身につける
人の想いや魂をいれ過去にも未来にもつながれる
いれもの



夏休み2_e0070099_16345342.jpg
今回の装身具展はoutboundという、ものと人を結ぶ原初の交換の場のような環境で
本当に、いい巡りに満ちた展示となった気がします。展示はまた第2回、来年に続くとのこと。








また、現在は長崎の真珠を手にして思索中です。
夏休み2_e0070099_10083951.jpg
C&  storyより
真珠の稚貝だそうです。



儚い
生まれてきてくれてありがとうな一枚
















































# by ito-atsuko | 2018-08-09 16:33 | 考えたこと